月経困難症とは
治療を必要とする生理痛
生理時あるいはその直前から下腹部痛や腰痛、いらいら感、疲労・脱力感などさまざま不快な症状があらわれ、学校や仕事を休まなくてはならない、家事ができないなど、日常生活に支障をきたすほどの強い生理痛は、「月経困難症」といわれ治療を必要とします。
▼月経困難症の代表的な症状
身体的症状 | 不快な症状 |
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強い下腹部痛や腰痛、頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、お腹が張る、足のつけ根の痛み など | イライラ感、疲労・脱力感、食欲不振、憂(ゆう)うつ など |
月経困難症とは
月経困難症には、「機能性(きのうせい)月経困難症」と「器質性(きしつせい)月経困難症」があります。
機能性月経困難症と器質性月経困難症
機能性月経困難症 | 器質性月経困難症 | |
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定義 | 原因となる病気がない | 病気が原因で生じる |
発症時期 | 初経後1~3年以内 | 初経後数年を経過して発症 |
好発年齢 | 10代後半~20代 | 20代後半以降 |
主な原因 | プロスタグランジンによる子宮の過収縮、子宮頸管の狭小(きょうしょう) | 子宮内膜症*1、子宮腺筋症*2、子宮筋腫*3、子宮周囲の炎症 など |
痛みの時期 | 生理期間のみ | 生理期間以外にも生じる |
いずれの年代においても、生理痛は病気を知らせる貴重なシグナルです。婦人科受診を先延ばしにせず、早い段階で適切な治療を始めておくことが重要です。
年齢層別婦人科の病気
- 子宮内膜症*1
子宮内膜またはそれに似た組織が子宮以外の場所にでき、生理のたびに出血や炎症を起こし、周辺組織が癒着(ゆちゃく)して強い痛みの原因となります。卵巣に子宮内膜症ができると、卵巣内に血液が貯留し卵巣が腫(は)れていきます(卵巣チョコレート嚢胞)。そのまま放置すると卵巣破裂や卵巣がんのリスクもあるため、定期的な受診が必要です。
- 子宮腺筋症*2
子宮内膜と似た組織が子宮壁(筋肉層)に増え、子宮壁が厚くなります。生理の出血量が増えたり、強い痛みを起こしたりします。
- 子宮筋腫*3
子宮筋の組織が、子宮壁(筋肉層)で増え、コブのようになった良性の腫瘍です。生理の出血量が増えたり(過多月経)、長引く(過長月経)ことで貧血になったり、腰痛、頻尿(トイレが近い)などが生じます。
私って月経困難症?
以下の項目に当てはまる場合は、婦人科で診断を受けてください。
- 鎮痛薬が効かない
- だんだん生理痛がひどくなっている
- 生理以外のときにも痛みがある
- 性交時に腰が引けるほど痛い
- 排便のときに痛みがある
- 肛門の奥のほうが痛い
監修:
聖順会 ジュノ・ヴェスタ クリニック八田
理事長・院長 八田 真理子先生